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「さきゅばす☆の~と!【改稿版】」作者:緋雁様

小説
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こちらの記事は私が読んで「面白い」と思ったオススメのWeb小説をご紹介しようというものです!

第十八回は、緋雁様の「さきゅばす☆の~と!【改稿版】」です!

 

作品閲覧はこちらからどうぞ!

さきゅばす☆の~と!【改稿版】(鷺宮 緋雁) | 小説投稿サイトノベルアップ+
恥ずかしがりやの夢魔リリス。みんなみたいにお色気で男を誘惑なんてできない! というわけで、まずは夢ノートで意識調査。お気に入りの一人を探して誘惑するはずが……。 間違えて渡したノートは世界を大改造するノートだった! 暮らしている人は同じなのに、世界だけが作り変えられた異相のパラレルワールドで、綾瀬紬(17♂)の恋...

あらすじ(作品より一部引用)

恥ずかしがりやの夢魔リリス。みんなみたいにお色気で男を誘惑なんてできない! というわけで、まずは夢ノートで性向調査。 お気に入りの一人を探して誘惑するはずが…… 間違えて渡したノートは世界を大改造するノートだった! 高二男子の綾瀬紬(の悪友)が考えたチートでハーレムなテンプレ異世界は本当に作られるのか!?

 

PV

【PV】 さきゅばす☆の~と!

(ノベルゲーム風)試し読み

 ――無理、無理、無理っ! 絶対無理っ!

前席の生徒に手渡されたプリントの束から一枚を抜き取り、残りの束を後ろに回して……。手元に残った〝夏休みの課題プリント〟なるものを読みながら、眉を曇らせるリリス。

十六歳にしてはあどけなさの目立つ、丸みを帯びた稚顔(ベビーフェイス)が次第に赤らんでゆく。

―――――――――――――――――――
【問一】ターゲットにした異性の特徴を書きなさい
※国籍、容姿、性格、経済力など、できるだけ詳細、且つ具体的に

【問二】ターゲットの欲望内容について、調査方法を記しなさい

【問三】誘惑コスチュームについて特に気を使った点を述べなさい
※なお、下半身のみ何も着用しなくても可(・・・・・・・・・・・・・・・)

【問四】ターゲットにささやいて効果的だったセリフを二つ以上書きなさい

【問五】その他、異性を誘惑するために工夫した点を書きなさい
―――――――――――――――――――

――〝下半身のみ何も着用しなくても可〟とか、バッカじゃないの!?

しかし、リリスの眉間の皺など気に留めることもなく、教壇で大きな声を上げる女教師。

「プリント、全員に行き渡ったかあ?」

黄金比(ボンキュッボン)のプロポーションに、ミニのタイトスカート。上半身は、硬質カップの付いた黒い(レザー)とレースでできた胸当てのみ。

見栄を張ってA寄りのB程度のリリスから見たら、FだかGだかHだかも分からない、中にメロンでも詰まっているかのような爆カップだ。

セクシーダイナマイトという死語を絵に描いて額に()めたような女教師、いや、もはや喋るメロン! その名はラウラ・クローディア!

「いよいよ、夏休みの課題では実際に人間を誘惑してもらうよぉ!」

全員にプリントが行き渡ったのを確認してラウラが話を始める。

まず男子!と、教鞭で黒板をピシリと叩く。指された箇所に並んでいるのは〝悪魔の子〟だの〝妊娠〟だのといった、リリスにとってはなんとも物憂げな単語。

男夢魔(インキュバス)の目的は人間の女に悪魔の能力を持った子を受胎させること! きちんとした交際相手がいないと堕胎される可能性もあるから、下調べは慎重にな!」

へ――い、と男子たちが面倒臭そうに返事をする。

「次に、女子!」と、再び黒板がパシンと鳴る。

「人間の男を骨抜きにして精液を搾り取るのが女夢魔(サキュバス)の目的だ。大事なのは、夢の中で、いかにセクシーにお色気攻撃できるかだ!」

――精液とか、さらっと言っちゃうんだもんなぁ……。

ラウラの声が、リリスにはやけに遠くに感じられた。

ホームルーム終了後、さっそく後ろの席のティナがリリスの肩を叩く。

「ねえリリス! あんた、どんな男を狙うつもり?」

「そんなのまだ決めてないわよ、って言うか、この課題やらないかも……」

「はあ? 堂々と人間界で男漁りできるのよ? こんな楽しい課題ないじゃん」

首を回し、青く艶やかな前髪の奥から蔑むような眼差しで悪友を流し見るリリス。

「これを楽しいなんて思うのはティナが女夢魔(サキュバス)だからだよ」

「そりゃリリスも一緒でしょうよ……」

「そっちは生粋! 私は間違えたのっ!」

頬を膨らませたリリスが、プイッと前に向き直る。

「よく分かんないけど、とりあえず、課題やらなかったら落第決定じゃん」

「他の課題で埋め合わせるわよ。セクシーコスチューム作り、とか?」

裁縫にもそれほど自信があるわけではないのだが。

「いろいろ馬鹿だとは思ってたけど、算数的な脳もちょっとアレなわけ? 配点の八割がこの淫夢課題だよ?」

どんな計算したら残り二割で進級できるのよ?と続けるティナ。

それは分かってる! 分かってるんだけど……と、リリスも頭を抱える。

「自分から下着を脱いで男を誘惑?とか……恥ずかし過ぎて無理っ!」

「別にいいじゃん。夢の中なんだし」

「実物を見せるか写真を見せるか、って違いでしょ? どっちも嫌だよ! 私はみんなみたいに純血種じゃないから、それだけでも羞恥心がすごいの!」

「そう言えば、あんたの父親、人間だったっけ」

ここは、悪魔の生徒たちが通う魔界ハイスクール。日々、ヒヨっ子悪魔たちが、人間を堕落させるための手練手管(てれんてくだ)の習得に勤しんでいる。

義務教育ではないが、学歴は初任給に大きく影響するので、最近ではハイスクールまでの進学率はほぼ百パーセント。

ほとんどの生徒は両親とも悪魔なのだが、リリスの母は女夢魔(サキュバス)で、父親は母に骨抜きにされた人間だった。

骨を抜かれ過ぎて、母に泣いて頼んで魔界に連れてきてもらい、そのままなし崩し的に結婚したらしい。

よく言えば大恋愛の末のゴールインなのだが、あんなアホな人間はめったにいないと、リリスは常日頃思っている。

とにかくそんなわけで、他の悪魔に比べると人間らしく多感なリリスに、ティナが冷ややかな視線を向ける。

「あんたさぁ、そんな性格でどうして夢魔科なんて選んだのよ」

――ほんと、そうだ……。

魔界では、人間を堕落させる手っ取り早いツールとして悪夢や淫夢がそれなりに重宝されているので、夢魔(むま)の需要も多い。

比較的習得が楽で就職に有利! たったそれだけの理由で決めた専攻が夢魔科だったのだが……。

「夢は夢でも、こんなお色気に特化した淫夢ばっかりだとは思ってなかったし……」

授業内容だけではない。

胸と腰だけを隠した黒いボンデージファッションにニーハイブーツとウェットルックグローブ。背中にはコウモリの翼を(かたど)ったようなデコレーション。

この、人間界の小悪魔コスプレで見られるような、やたら露出部分の多い格好が夢魔科の制服なのだ。

ワンピースに三角ウィッチハットという魔女科や、鎖帷子(くさりかたびら)の魔戦士科なんかと比べても、セクハラとしか思えないような制服。

机に突っ伏して愚痴るリリスの翼を、後ろの席からティナが意味もなくポンポン(もてあそ)ぶ。

 

「あんたのお母さんだってサキュバスだったんでしょ? その辺のこと、詳しく聞いてなかったの?」

ティナの問いに、リリスは再び振り向いて不貞腐(ふてくさ)れたように頬を膨らませ。

「サキュバスなら男は選び放題よ、って言われただけだよ」

「それ、人間限定じゃん……」

「うん。あのアホ親父と結婚するような母も母だって、忘れてた」

隣の席からクラス委員長のシトリーも会話に参加する。

スラリと高身長で、眼鏡がよく似合う優等生だ。

「何を悩んでいるのです、リリス? 人間の殿方など、セクシーポーズで甘い声をかければすぐに尻尾を振ってくれるんですから、楽なものじゃありませんか」

「そうそう、難しく考え過ぎなんだよリリスは」

「お色気お色気って、二人とも夢魔脳をこじらせ過ぎなんだよ!」

「まるで自分が夢魔じゃないみたいな口ぶりですね? 人間の殿方を誘惑するのに、お色気以外に何があるんです?」

リリスの反論に、真剣な面持(おもも)ちで首を傾げるティナとシトリー。

これだから夢魔って連中は……と、リリスも心の中で舌打ちをする。

「あのね、昔と違って今は、男だからってエロ河童(がっぱ)ばかりじゃないの」

一皮剥けば、今でもみんなエロ河童よ、と言うティナを無視してリリスが続ける。

「私もね、いろいろ調べたんだよ。最近の人間界について」

「例えば?」

夢魔科の実態について気付き始めてから、これはマズいと感じてリリスもいろいろとリサーチをしたのは事実だった。

「例えば、人間界の日本って国では、別にボインでセクシーなだけがモテるわけじゃないの。ちっぱいだって、童顔だって需要があるし……」

「ちっぱいで童顔のリリスには朗報ね……(いた)っ!」

すかさず振り向いたリリスの平手が、パシ――ンッ!と、ティナの頭頂部を引っ(ぱた)く。

「ツンデレとかヤンデレとかダンデレとか……男性の趣向も多様化してるんだよ!」

「リリスは何デレなの?」

「私は別に……あえて言うなら……ただの、クールビューティー?」

「……ややウケ」

「ボケじゃないわよっ!」

「とにかくさ、クーデレだってデレはデレでしょ? お色気使わないでどうやってデレるのよ?」

――夢魔は、他にデレ方を知らないのかっ!?

「百歩……いえ、千歩譲ってよ? もし二人が言うように過激なお色気作戦に出るとしても、それはやっぱり誰でもいい、ってわけにはいかないわよ」

「そりゃまあ、性欲旺盛で精子も濃い方がいいわよね」

「そういう意味じゃないっ! ちゃんと私が、この人なら落としたい!って思える人じゃなきゃ!」

「あのさぁ、サキュバスが純愛求めてどうすんのよ?」

「ハァ……。夢魔相手に話してたって(らち)が明かないわ」

「あんたも夢魔だって、何度言ったら……」

「もういい、分かった!」

リリスはプリントを片付けて席を立つ。

「とにかく私は私で、お色気以外の方法を考えるわ!」

「そのコスチュームでそういうセリフを言われても、説得力ないのよねぇ」

「コ、コス……って、仕方ないじゃん! これが制服なんだから!」

仮にお色気路線だったとしても、スッポンポンになるだけが唯一の手段というわけではない。

――チラ見せとかコスプレとか、もっとソフト路線もあるはずよ!

そのソフト路線でいかに精液を採取するか?については既に失念しているリリス。

「で、リリスの言う純愛相手、どうやって探す気?」

「以前、授業でやったやつ。購買で夢ノート買ってくる」

夢ノート――。

夢魔が利用する基本的な魔法(マジカル)グッズだ。

人間がそこに見たい夢を書いて寝ると、呼び出された夢魔が人間に希望通りの夢を見せるというアイテム。

本来は、人間に渡して自由に夢の世界を楽しんでもらう代わりに、その人間とさまざまな契約を交わすことができるという、いわゆるバーター用のアイテムなのだが……。

今回の課題には誘惑技術の査定も入っているので、契約道具としてこのノートを使うことはできない。

――でも、対象の趣味趣向を調べるだけなら問題はないはずよね。

どんな夢を希望するのか?

あるいは夢の中でどんな行動をするのか?

そこには往々にして人の本性が反映される。

それを分析すれば、本気で誘惑したいと思える男子が見つかるかもしれない……とリリスは考えているのだ。

ただし最近は、ノートの力を信じて、見たい夢を書き込んでくれるようなアホな人間は非常に稀なようだが。

「すいませ~ん。夢ノートくださぁい」

「はい。百五十ダミエンです」

購買部でお金を払い、何も書いていない黒い革張りのノートを受け取る。

何の革かは分からないが、やけに高級感があって、なぜか年季も入っている。

以前、先生に見せてもらったものはピンク色だったし、もっとチープな感じだった気もするんだけど……と小首を傾げるが、デザイン変更でもされたのかな、とあまり深くは考えない。

――でも、さすがに何も書かれてないんじゃ、渡された方も意味不明だよね。

リリスはリサーチの過程で入手した日本の五十音図表を鞄から取り出す。

異界語を読むことは魔力でこなせても、実際に文字を書くには文字を覚える必要があるのだ。

【こののうとに みたいゆめおかいてねると そのゆめがみれます】

このノートに見たい夢を書いて寝るとその夢が見れます――

表紙に説明文を書き終わると、ノートを持った両手を伸ばして満足げに眺めるリリス。

あとはそれを、目ぼしい人間の男子にどんどん回していくだけだ。

――ただのエロ河童じゃない、誠実な男の子を絶対見つけるわよ!

今日は終業式で、この後は授業もない。

校舎裏で人間界へのワームホールを開くとさっそく足を踏み入れるリリス。

菫青石(サファイア)のように碧く輝いていたボブカットの髪が、下界仕様の亜麻色に変わる。

ホールゲートが、リリスを飲み込むと同時に静かに閉じた。

同時刻、魔界ハイスクールの資料保管室――。

「あれ? ここにあった黒いノート知らん?」

保管室を整理していた担当教員が尋ねると、奥を整理していたもう一人の教員が顔を覗かせる。

「あれ? さっき購買部の連中が荷物を取りにきてたから……もしかしたら間違えて一緒に持っていっちゃったか?」

「あ~あ。おまえ、責任持って取りに行ってこいよ?」

「面倒臭えな。そのうち気付いて持ってくるだろ? 何のノートなんだよ、あれ」

「なんだっけなぁ……俺も宝物庫担当から頼まれて預かってただけなんだけど、世界改変がどうとかこうとか……」

「え! なにそれ、ヤバくね?」

作業に戻っていた奥の教員が、再び驚いたように顔を出す。

「ん~、でも、前にも一度なくなったことがあって、戻って来た時は何ページか使われていたらしい」

「ほんとかよ!? そんな話、初めて聞いたぞ」

「うん。大きな騒ぎにもなってなかったからな。実は大したことないのかも」

「まあ……ほんとに世界改変なんてされたら大事(おおごと)だよな」

 

 試し読みはここまでです! 続きは作品ページをご覧ください!

感想

読みやすくノリの良い「異世界学園モノ」です。

キャラクターの言動が生き生きしてるので、親しみが持てます。世界観や物語がしっかりしており、文体もポップなので、わかりやすく面白い作品です。

キーワードは「おれつえー」(笑

 

LINEマンガ化している作品なので、冒頭を漫画で読めるのも大きなポイントでしょう。

是非一度読んでみていただきたい作品です!

 

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書籍情報

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※ネタバレを含みます!

さきゅばす☆の~と!

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