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「#濡れ衣 #炎上 #ウェディングプランナー 〜けれどその火は、消えることなく〜」作者:とみー様

小説
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こちらの記事は私が読んで「面白い」と思ったオススメのWeb小説をご紹介しようというものです!

第十六回は、とみー様の「#濡れ衣 #炎上 #ウェディングプランナー 〜けれどその火は、消えることなく〜」です!

 

作品閲覧はこちらからどうぞ!

#濡れ衣 #炎上 #ウェディングプランナー 〜けれどその火は、消えることなく〜(とみー) | 小説投稿サイトノベルアップ+
昨夏、テレビや週刊誌をも巻き込んだ「炎上騒ぎ」が起こった。それは、たった1つの匿名ツイートから始まった。 「友人の結婚式を、人生を、台無しにしたあのウェディングプランナーを許さない #悲痛な叫び聞いて」 全国規模のホテルチェーン「ハルモニア仙台」で起こった、ある結婚式での「惨事」。それを何者かが「A山なる女...

あらすじ(作品より引用)

昨夏、テレビや週刊誌をも巻き込んだ「炎上騒ぎ」が起こった。それは、たった1つの匿名ツイートから始まった。

「友人の結婚式を、人生を、台無しにしたあのウェディングプランナーを許さない #悲痛な叫び聞いて」

全国規模のホテルチェーン「ハルモニア仙台」で起こった、ある結婚式での「惨事」。それを何者かが「A山なる女性ウェディングプランナーが意図的に引き起こした」と告発してきたのだ。
この「悲痛な叫び」は瞬く間にネットを席巻。「ネットの力で大企業と悪人を告発すべし」という有志の声が全国から上がり、名指しされた若手プランナー・青山ひかるはプライバシーを晒されるなど一気に炎上してしまう。

「え? でも担当、あたしじゃない……」
その声はネット内の火災旋風に飲み込まれ、かき消されていった。職場や自身のSNSに届く誹謗中傷の声、脅迫メッセージに、ひかるはなすすべなく追い込まれいく。
藁にもすがる思いで訪ねた無料法律相談、そこで偶然出会った弁護士との会話から、事態は思わぬ方向に……。

炎上した側、させた側、その両方に取材することで、裁判への現実やデジタルタトゥー問題(ネットに刻まれた、誤った己のルーツ)をリアルに切り取る。ラストまで疾走感たっぷりに描き切る、ミステリーにも似た現代ドラマ。

(ノベルゲーム風)試し読み

「誰かが死なないと事件にならないのか」

今となっては誰だか分からないけれど、そんなツイートがあった。確かにそうかもしれない。今の時代、炎上案件なんて誰にとってもモニターの向こう側の話。「事件未満」の「ネタ」「話題」「出来事」でしかないもの。

この夏に起こったこと、それには私にとって大事件だったんだけれど、でもやっぱり、ネットやテレビの人にとっては「出来事」だったんだ。

取材時、青山ひかるさんの言葉より。

 

青山ひかるは、ユニークな女性だった。人とのコミュニケーションが好き、仕事が好き。甘いものも好き。撃ち合いのゲーム(FPS)が好き、車の運転も好き。でも、同性の友達はそこまで多くもない。

趣味であるFPSでは、ネットを介してゲーム用語で言うところの「フレンド」、つまりはゲーム仲間も増えた。名前も顔も知らない、でも同じ趣味を持ち、気が合う仲間が集まるネットコミュニティーが生まれたのだ。そんなフレンド用に、五年前から「ずんだ」の名義でツイッターなどのSNSも続けている。

ツイッターを開けば、そこは常に、親しみや多少の好意を持ってくれる数十人の男女のフォロワーで賑わっている。描いた絵の写真を上げれば「下手すぎる笑」と皆が沸く。料理写真(例えば、自分ではオムレツだと思っているもの)を上げれば「呪われた腕!」と笑いと悲鳴のリプライが返ってくる。そんな日常だ。

「姉」だからか、ひかるは面倒見がいいタイプだ。適度に突き放し(だから同性の友達が少ないのか)、適切に構う(だから付き合いの長い友達はそこそこいるのか)。弟との距離感もちょうどいいのだろう、二人は仲がいい。弟の恋人もなついてくれた。もうすぐ結婚するらしいが、いい義姉妹になれそうだ。

別々に住んではいるが、言うまでもなく両親との仲もいい。父は仕事で海外に行っているが、その分、母とはよくランチに行くなど良好な関係だ。

普通にある現実と、普通にあるネット。うまく付き合えているはずだった。「バーチャルの人間関係なんて……」と眉をひそめる世代ではない。今では誰もが簡単に、トークやゲームをネットで発信できる時代なのだ。

ただ、自分を表現する場が増えれば増えるほど、セキュリティーに気を付けなければならないことは、デジタルツールを使う者なら誰でも分かっている。そうならないように気を付けていても、予想外の出来事が起こる……それも、誰もが知っている。だから「ずんだ」名義のツイッターはもちろん、プライベートのフェイスブックなどでも多少フェイクを入れるなど、それなりのケアをしていた。ひかるの場合、「自分が住んでいる」「たまたま名前が似ている」という理由で、宮城県選出の国会議員の似顔絵をそれぞれのアイコン=自分の顔写真に使うという「おふざけ」をしていた。このフェイクが、後に災いするのだが……。

仕事が好きで、そこまでの情弱(情報弱者=インターネットで情報を調べるスキルのない人を指すスラング)でもなく、クセはあっても人当たりが良い。ユニークではあるが、今の時代、希少種ではない。そんな女性が、これから炎上する。

 

面倒見が良く仕事好き、コミュニケーション好き。小柄だが体力もそこそこ。そんな彼女が二十代半ばで就いた仕事は、地元芸能事務所の制作担当だった。

イベントを企画し、アイドルを立たせ、舞台を盛り上げる。東京から映画の撮影クルーが来ればエキストラを送り込み、さらには撮影のロケーションも考えた。

そして、適度に突き放し適切に構う性格は、マネージャー職にも向いていた。自分より若い女の子たちを、叱咤し、なぐさめ、かわいがる。遠方への出張など時間も場所も不規則な仕事だったが、仕事とコミュニケーションが好きだから、忙しい毎日にアジャストできてしまう。天職だ!と大げさに思わないまでも、楽しい毎日だった。

しかし、社会人経験者なら誰でも分かるように、社会や会社では、価値観と価値観、正義と正義は衝突するものだ。「誰それが優遇されている」「この部署にしわ寄せが来ている」。どこにでもある摩擦と不満。現場と「上」が衝突を繰り返す中、業績は悪化していった。

適度に突き放す女は、軽やかに転職を決めてしまう。職場で評価の高いひかるに対し、転職エージェントがすぐに仕事を見つけてくれたことも、決心を後押しする材料になった。

紹介されたのは、ウェディングプランナーの仕事だった。適切に構う女には適職に見えた。決断は早かった。

その後、芸能事務所は縮小を繰り返し、閉鎖するに至った。

こうして彼女は、炎上の火元へ近づいた。

 

 試し読みはここまでです! 続きは作品ページをご覧ください!

感想

作品テーマが良いですね。実際に起こりえる事象の「リアリティ」「怖さ」をよく表現しています。

そして後半は「爽快さ」を交えつつ上手くまとめています。

ネット社会の怖さを知るという点において、非常に興味深い作品だと思います。

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