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「ラピスラズリ 双子蜜愛」作者:九藤 朋様

小説
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こちらの記事は私が読んで「面白い」と思ったオススメのWeb小説をご紹介しようというものです!

第十五回は、九藤 朋様の「ラピスラズリ 双子蜜愛」です!

 

作品閲覧はこちらからどうぞ!

ラピスラズリ 双子蜜愛(九藤 朋) | 小説投稿サイトノベルアップ+
二人だけの閉じられた世界で過ごす、瑠璃と樹人の双子の物語。 教師である坂崎が瑠璃に執着を見せることでそこに介入し、更に従兄妹である黄吉と亜衣もまた禁断の想いを抱えていた。 禁じられた恋が、散らばっている。

あらすじ(作品より引用)

二人だけの閉じられた世界で過ごす、瑠璃と樹人の双子の物語。 教師である坂崎が瑠璃に執着を見せることでそこに介入し、更に従兄妹である黄吉と亜衣もまた禁断の想いを抱えていた。 禁じられた恋が、散らばっている。

(ノベルゲーム風)試し読み

 蜂蜜色の真鍮で縁取られた玻璃(はり)の温室に曙光が射し込んでいた。

リビングの横合い、張り出した箇所にその温室はあった。

春の靄が温室の中にまで漂い、中にある瑠璃茉莉(るりまつり)や胡蝶蘭などの茎葉にまで漂うようだ。いずれも花の時期ではない為、その花びらが艶やかに湿ることもない。

猫の咽喉を優しく撫でくすぐるような声で樹人(たつひと)は起こされた。

「またここで寝たの?」

温室の中にある長椅子の上、毛布にくるまり微睡んでいた樹人は、瑠璃(るり)の存在に余り頓着せずもぞもぞと身動きすると緩慢な伸びをした。昨夜の瑠璃の舌の熱いような冷たいような甘さがまだ残っているようで、樹人はふと咽喉に手を遣る。

青く淡紅でもある曙光は玻璃を透かして二人を照らす。

瑠璃はもうセーラー服に着替えている。臙脂(えんじ)色のスカーフが綺麗に結ばれていて、その隙のなさに樹人は不意の苛立ちを覚えて乱したくなる。昨夜の瑠璃を思うと尚更だ。

「植物の傍だと落ち着くんだ」

「風邪をひくわよ」

「平気だよ」

坂崎(さかざき)先生が心配なさるわ」

その名前がまた樹人の苛立ちを喚起した。

坂崎は樹人と瑠璃の双子を気遣う様子を見せながら、瑠璃に秋波を送っている。

少なくとも樹人にはそのように見えた。

「坂崎なんてどうだって良い」

樹人はそれまでの緩慢さが嘘のように勢いよく起き上がると毛布を払い除けた。淡い青の毛布ははらりと温室の床に落ち、曙光の色をより強く受けて複雑な色の混じり合いを呈した。

そして物も言わず瑠璃の手首を掴み、白い手の甲をぺろりと舐める。瑠璃は大人しくされるままになっている。瑠璃が樹人を拒むことはほとんどない。承知の上で樹人は甘えていた。手の甲を舐めたのは樹人なりのマーキングだ。

「瑠璃の声は金糸雀(カナリア)

「またそんなことを言って」

「瑠璃の肌は水蜜桃」

「樹人。好い加減に着替えなさい」

「瑠璃が着替えさせてよ」

「……」

「瑠璃」

樹人の抜かりのなさは制服をきちんと温室に畳んで置いたことだ。

樹人が生成り色の寝間着を恥じらいなく脱ぐ横で、瑠璃は樹人の制服を手にする。

少年の肌は少女に負けず石膏のように光孕む透明感で、そして自らの肌をわざと見せつけているのだと瑠璃には解っていた。樹人は隙あらば瑠璃を誘い込もうとする。昼夜を問わないことも考え物だった。

白いシャツを樹人に着せ掛ける。樹人の視線は瑠璃から逸れず、凝視することで瑠璃を淡い辱めに合わせている。闇のように黒い詰襟の(ボタン)を一つ一つ留めていく作業は厳かな儀式にも似て、瑠璃は軽く唇を噛んだ。昨夜のことが思い出されたからだ。

着せ終えると、樹人はどこか物足りなさそうな顔で嘆息した。望みを果たしたのであろうにと瑠璃は思いながら温室の曇りない玻璃を眺める。果実めいて色づいた唇は半ば開かれている。昨夜は否応なしにそのあわいに樹人の舌が侵入してきた。その感触を思い出して瑠璃は頭を一つ振ると、温室を出るよう樹人を促した。

 

 試し読みはここまでです! 続きは作品ページをご覧ください!

感想

「美しく読みやすい純文学」。本作品を読んで表してみた言葉です。

純文学でありながら柔らかく、美しい文章は情景だけでなく音までも表現してくれる――そんな感じでしょうか。

それでいて登場人物の心理描写を上手く表現し、気づくと物語にのめり込んでいます。

是非一度読んでみていただきたい作品です。

実況朗読

※ネタバレを含みます!

ラピスラズリ 双子蜜愛

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